医者が病気の診断にGoogleを使う

Doctors use Google to diagnose disease: study
http://www.abc.net.au/news/newsitems/200611/s1785466.htm

どんな病気なのか知るために躍起になって症状をGoogleに入れるのは、患者だけじゃない。

オーストラリアの研究者らが言うには、医者もそうするとのこと。

ブリスベンのプリンセスアレキサンドラ病院のハングィ・タン(Hangwi Tang)医師とジェニファー・ング(Jennifer Ng)医師は、彼らの発見をブリティッシュメディカルジャーナルのオンライン版に報告した。

タン医師によると、この研究は、困難なケースを診断するためにどのくらいの患者や医者がGoogleを使っていたのか知ることについての個人的な好奇心に駆られたものである。

ある例では、彼の患者の父がサーチエンジンを使って、自分の息子がまれな循環器の病気外傷性腋窩静脈血栓(paget-von schrotter)症候群であることを診断した。

タン医師とング医師は、ニューイングランドジャーナルオブメディスンに発表されたクッシング症候群やクロイツフェルツヤコブ病、脳炎、硬変症を含む26の異なる場合を選択した。

彼らは、診断を見つけ出すために、それぞれの場合の症状をサーチエンジンに入れた。

研究者らによると、これらの診断を正しく公表された診断と比較した場合、Googleは58%の確率で正解を得るそうだ。

彼らが言うには、オンラインサーチは、検索語として使用することができる特異な症状の状態を診断することを手助けするときに、より効果的になる。

タン医師は、Googleを使うこのチャレンジの一部は、オンラインサーチで見つかる大量のリンクページを経て、効率よく移動できることだと言う。

彼は医師のほうがこのような行動がうまくできると考えている。患者よりも医師のほうが関連するリンクをうまく選べるからだ。

「別に、Googleが医師の代わりになりうる、と考えているわけではない」と、彼は言う。

数百万の症例

病気を診断するために医師は200万件もの症例を記憶していると推測されている、と研究者は言う。
しかしサーチエンジンは、医師が記憶できないくらいますます増え続ける医学のナレッジベースに、即座にアクセスすることを可能にする。
検索対象を査読済みの論文に限定しているGoogle Scholarを用いれば、30億以上の論文にアクセスできる。
医師が使用できるサーチエンジンは他にもいくつかあるが、彼ら医者は簡単にそして自由に使えるという理由からGoogleを好む、とタン医師はいう。

他の研究

シドニーにある健康情報センター(Centre for Health Informatics)のジョアンナ ウェストブロック(Johanna Westbrook)教授はこれらの発見は彼女自身の行動とも一致している、という。
彼女のチームは医師が診断し治療することを、特化したサーチエンジンが補助することができるか、を得られる限りの証拠を用いて検証した。
その研究の結果、医師(clinician)は、オンラインサーチエンジンを使った方が正しい答えを出す確率が21%も多かった。
面白いことに、幾人かの医師はサーチエンジンを使わない時は正しい答えを出したのに、サーチエンジンを使うと間違った答えを出した。
ウェストブロック教授は、この結果は、複雑な証拠をどう解釈するかを学ぶことの大切さを示していると言う。
もうひとつの興味深い発見は、サーチエンジンを使ったクリニカルナースコンサルタント(clinical nurse consultants)が医師と同等の正確さを示したということです。
ウェストブロック教授は、これは医師が少ない田舎で看護士が患者を診断して治療するのにサーチエンジンが役立つことを示している、と言う。
(オンラインサーチエンジンは)24時間営業だ、と彼女は言う。
「しかしながら、24時間いつでも医師をつかまえられるわけではないし、24時間いつでも病院の図書館に行けるわけでもない」
ウェストブロック教授は「Googleは固有の症状の病気についての情報を探すには便利だが、より複雑な病気には、もっと洗練された検索エンジンが必要だ」と言う。

感想など

by id:pho
正しい答えを出す確率が高いのか低いのかなんともいえないけど、けっこう役立っている模様。
サーチエンジンが原因で間違った答えを出してしまったら問題だけど、医師じゃなくても同等の結果が得られるなら非常に有益。
そもそも検索エンジンを使いながら論文を読んで、医師が勉強しているのならなんら問題はなさそう。
まあ最終的にはGoogle先生に聞いたからじゃなくて、医師に責任をもって説明してもらいたいけど。
by id:marqs
人工知能の授業で、エキスパートシステムで診断しようとかいう研究をやった気がするけど、結局Googleなのね。
外部ストレージとしてのGoogleはよさげ。
ただ、命に関わるので、情報の信頼性が高くないといけないだろうなぁ。検索結果を信頼度順にソートするとか?その信頼度を誰が決めるんだっていう話にはなりそうだけど。。
その医者には初めての症例でも自信をもって、治療法を示してもらいたい。
このあたりは、自分の経験したことでなくとも、自信をもって説明できるというスキルが必要だろうなぁ。医者以外も多いに関係ありそう。ってGoogleとあんまり関係ない感想になっちゃった。

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