早く、深く・・・より良く学ぶ77のコツ
人は、脳味噌のうち10%ほどしか使っていないと言われています。より良く学ぶためのテクニックを身につけたら、人生は今までとちょっと違ったものになるかもしれません。今回は、そのためのTipsをご紹介します。一部は学生に向けたものですが、大部分は1人で学ぶ人も使えるものです。さあ、楽しく学びましょう。
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77のコツ一覧
- 貧乏揺すりをしよう
- 朝食を食べよう
- ランチは軽めに
- (認知力を増すために)銀杏を食べよう
- ストレスや憂鬱を減らそう
- (問題を抱えたまま)眠ろう
- 休憩しよう
- 散歩しよう
- 視点を変えよう
- 違う方法でやってみよう
- 瞑想歩行をしよう
- 集中し、それに浸ろう
- 電気を消そう
- シャワーを浴びよう/お風呂に入ろう
- 音楽を聞こう
- 速読しよう
- 言葉遊びをしよう
- 画像は物語る
- マインド・マップを使おう
- シンボルについて学ぼう
- デザインを活用しよう
- 視覚を活用した学習をしよう
- タスクを順序だてて書いてみよう
- アイディアを刺激しよう
- ブレインストーミングしよう
- 染み込ませるように学ぼう
- 認知効果を活用しよう
- 笑おう
- 手で書こう
- 常にノートを持ち歩こう
- 毎日のメモを書こう
- 見やすいメモを作ろう
- ポストイットを活用しよう
- 自分を信用しよう
- なぜ学びたいのかをハッキリさせよう
- ゴールを設定しよう
- 前向きに考えよう
- 時間管理・タスク管理をしよう
- どんなスキルも、学ばなければ身に付かない
- 学ぶための障害を排除し、時間を確保しよう
- 周囲に協力してもらおう
- 自分を追い込もう
- 読め、読め、読め
- 知りたいことを相互作用させよう
- 違う言語を学ぼう
- いかにして学ぶか、を学ぼう
- 自分の知っていること・知らないことをきちんと把握しよう
- 無意識に2つのことをしよう
- 全体を俯瞰して考えよう
- 効果的な反復学習をしよう
- Quantum Learning をしよう
- 必要な道具を手に入れよう
- 必要な道具を手に入れよう(ソフトウェア開発者のために)
- クリティカルシンキングを学ぼう
- 問題解決の手法を学ぼう
- 夢中にさせよう
- 積み重ね学習で、情報のピラミッドを造りましょう
- テレビゲームをうまく活用しましょう
- ロールプレイしてみましょう
- 80-20の法則を適用して、学習にメリハリをつけましょう
- ストーリーにしましょう
- 義務教育の先を行きましょう
- 応用例を示しましょう
- 夢中になれるようにしよう
- 自分自身の先生になろう
- 協力しよう
- 誰かに教えよう
- 書いてみよう
- 体験してみよう
- 自分にクイズを出してみよう
- まず、正しいことを学ぼう
- 学習計画を立てよう
- あきらめるな
- 「専門家」を信じるな
- 挑戦しよう
- 試験の前は、遊ぼう
- 何よりも、楽しく学ぼう
健康面のコツ
1. 貧乏揺すりをしよう 血流が滞ると、集中力も落ちます。ずっと一カ所に座っていたときは、1〜2分片足あげをしてみましょう。血流が良くなって、集中力・記憶力が高まりますよ。
2. 朝食を食べよう 朝食を抜く人が多いですが、朝のほうが創造力が高まる人は少なくありません。それに、朝食はタンパク質の補給を助けてくれます。タンパク質が不足すると、頭痛になりますよ。
3. ランチは軽めに 昼食の食べ過ぎは眠気を誘います。昼寝をする技と併せて、うまく活用しましょう。
4. (認知力を増すために)銀杏を食べよう 銀杏の実は、古くから中国やアジアで親しまれている自然食品で、動物実験において記憶力の向上が確認されています。記憶力増強だけではなく、健康に良い薬草としても知られています。
5. ストレスや憂鬱を減らそう ストレス・憂鬱は記憶力を削るだけでなく、学習を妨げます。もしかしたら照明と食事を変えるだけで、憂鬱な気分が晴れるかもしれません。
6. (問題を抱えたまま)眠ろう 優れたアイデアによって生計を立てているという男性は、解決するべき問題を抱えたままオフィスのドアに鍵をかけて、ブラインドを閉めて、電気を消してしまう。そしてソファで昼寝をするそうです。目が覚めると、たいていその問題は解決しているということです。(マックスウェル・マルツ博士の著書「Psycho-Cybernetics」より)
7. 休憩しよう 一カ所に座って集中していると、気付かぬうちにストレスがたまります。そんなストレスを軽減するために、身体的にも精神的にも気分転換をしましょう。休憩なしにぶっ通しで作業するよりも、1時間に5〜15分の休憩をしたほうが生産性が高まります。休憩によって精神的にリラックスできますし、情報をうまく消化することができます。もし「休憩はきちんと取りたい」と思うなら、90分に1回、20分間の休憩をしましょう。昼寝をしても良いですね。
8. 散歩しよう 気分転換は緊張感をほぐし、創造力を高めます。近所を散歩してみるのは効果的ですよ。
9. 視点を変えよう 十分な休憩を取る時間がないときもあるでしょう。そんなときは、テーマを変えて、視点を変えてみましょう。技術的な側面からだけでなく、使う側の視点からも見ると良いですね。
視点・考え方のコツ
10. 違う方法でやってみよう 学習方法には大きく分けて、視覚学習、体感学習、聴覚学習の3種類があります。どれかがうまくいかなかったら、違う方法を試してみましょう。
11. 瞑想歩行をしよう ただの散歩だけじゃなく、瞑想しながら歩いてみましょう。自分の内面に向かい合い、集中力を高めるのです。ただし、人の多い道ではやらないように。
12. 集中し、それに浸ろう 勉強していることに集中しましょう。TVや考え事をしながらの「ながら」勉強はダメ。心配事や不安のタネは、勉強の妨げですよ。
13. 電気を消そう 集中できないときは、部屋を暗くして、外界を遮断してみましょう。ギターのコードを覚えたりするときに効果的。
14. シャワーを浴びよう/お風呂に入ろう リラックスすると同時に、アイディアに敏感になることができますよ。
気分転換のコツ
15. 音楽を聞こう ある種の音楽は、何かを思い出す際の効果的な「鍵」になるという調査があります。歌を頭の中で思い出すと、その歌を聴いている最中に勉強したことも思い出せる・・・らしいです。
16. 速読しよう 速読は、重要な情報を見逃す危険性があると思い込んでいる人もいます。しかし効果的な速読によって、不要な情報を取り除くことができます。もし必要なら、速読した後にもう一度、スピードを落として読んでもいいのです。ただしのんびり読むと、全体の把握はしづらくなります(技術的な文章は、時間をかけて読まなければなりませんが)。インターネット上の文章を読むならSpreederを試してみましょう。速読の練習ツールみたいなものです。
17. 言葉遊びをしよう 頭文字を取ったり、リズムや歌になぞらえたり、よく知っているものに関連づけたり。つまらない情報を、面白いものにして覚えましょう。
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視覚利用のコツ
18. 画像は物語る やろうとしていることのスケッチを描いてみましょう。ゴールのイメージがハッキリすれば、そこに向かいやすくなります。
19. マインド・マップを使おう 何かを計画するときは、マインド・マップを活用しましょう。全体を俯瞰すると同時に、細部の確認もできます。マインドマップがあれば、まったく異なったアイディアの関連を見ることができますし、ブレーンストーミングのときにも役に立ちます。
20. シンボルについて学ぼう 記号やシンボルの意味を知って、情報をうまく記録できるようになりましょう。
21. デザインを活用しよう 構造的な情報を記録するときは、「インフォメーション・デザイン」を活用してみましょう。インフォメーション・デザインは情報をわかりやすくします。実例を見たければ、 Information Aestheticsをどうぞ。
22. 視覚を活用した学習をしよう 構造的な図を書きましょう。gliffyが便利です。
23. タスクを順序だてて書いてみよう 何かを勉強していると、ある特定の順序で学ぶ必要に迫られることがよくあります。ですから、新しいことを学ぶ前に、まず「何をするか?」を整理しましょう。
聴覚利用のコツ
24. アイディアを刺激しよう 韻を踏んだり、まったく無意味な言葉並べをしたりして遊んでみましょう。緊張がほぐれて、新しい知識に対する寛容性が高まりますよ。
25. ブレインストーミングしよう 時間を決めて、アイデアを出し合いましょう。1人でも出来ますが、グループでやったほうが効果的です。ただし以下のルールを守ること→1, 他の人のアイディアを否定しない。2, あれこれ考えずに、まずアイディアを出す。記録してしまってから、分析したり編集したりする。ブレインストーミングは自分が何を知っていて、何を知らなかったのかを評価するための手助けにもなります。
26. 染み込ませるように学ぼう iPod、持ってますか? 語学のレッスンかなにかを録音して、それを布団の中で聞き返してみましょう
27. 認知効果を活用しよう 周波数の近い2音を交互に鳴らすと、眠っている最中や集中しているときに出されるα波、β波、θ波が出ます。この「Binaural beats」という手法は、スーパーラーニングのトレーニングにも使われるそうですよ。詳しくはここやWikipediaを見てください。
28. 笑おう 笑いはリラックスをもたらします。リラックスしているほうが新しいアイディアも浮かびやすいですよ。
行動面のコツ
29. 手で書こう コンピューターにノートの内容を打ち込むのは人の役に立ちますが、手で書いたほうが脳の刺激になります。ペンを握るという動作が手のツボの刺激になりますし、ひいてはアイディアの誘発にもなります。
30. 常にノートを持ち歩こう 英詩人サミュエル・テイラー・コールリッジは、夢で見た言葉をもとに「クブラ・カーン」を書き上げました。彼は目覚めると、思い出せることを書き留めましたが、途中で客が来ると、間違いなくそれ以降の部分を忘れてしまいました。そして、二度と思い出せなかったそうです。仮に瞑想や昼寝をしていても、アイディアはおかまいなしに突然やってきます。何か思い浮かんだら、すぐに書き留めましょう。
31. 毎日のメモを書こう ノートとはちょっと違う、毎日の経験を辿ることができるような記録をつけましょう。グラフやブレインマップもつけると、その日に何を学んだかをもっとクリエイティブに記録することができます。
32. 見やすいメモを作ろう ノートや毎日のメモに、大きな付せんを貼ってみましょう。参考情報を記録するのにピッタリ。
33. ポストイットを活用しよう ポストイット(付せん)を使えば、書き込みやマークをして本を汚さなくても、読みながら考えたことをメモできますよ。
動機付けのコツ
34. 自分を信用しよう 実は、アイデアを手に入れるのは簡単なことです。達成したいことに心を集中できるようになれば、何が良いアイディアかもわかるようになります。心はそのフィルターになり、それによってさらに学習欲も高まるでしょう。
35. なぜ学びたいのかをハッキリさせよう あなたはなぜ、学びたいのでしょうか? 学んで、何を達成したいのでしょうか? もしそれがわからなかったら、勉強以外のことが魅惑的に見えて仕方ないでしょうね。
36. ゴールを設定しよう (世界最大の特殊損害保険会社を築き上げた)クレメント・ストーン曰く、「心に描くことができるものなら、どんなことでも成し遂げることができる」。これは目標達成の過程において驚くべき現象ですが、(心に描いたことを成し遂げるために)必要だと思うものをとにかくすべて準備すれば、ハードルは越えられる・・・そう思えることでしょう。この現象は、経験したことのある人であれば「もっともだ」と理解できるはずです。
37. 前向きに考えよう もし自分の能力を信じていなかったら、ゴールを設定をする意味は、ありません。
38. 時間管理・タスク管理をしよう 学習は、日常生活の一側面にすぎません。時間やタスクをうまく管理しないと、学ぶための時間の確保は難しいでしょう? GTDを実践するために、Neptuneを試してみましょう。To Do管理や、収集した情報の管理に使えるアプリケーションです。
39. どんなスキルも、学ばなければ身に付かない 人生におけるスキルは、どんなものでも-身体機能を別として-、学ばなければ身につきません。そして他の誰かが身につけられたことなら、たいていのことは、誰でもできることです。もしかしたら他の人よりも努力が必要かもしれないけれど、適切なゴールが設定されていれば、あなたにもできるはず。
40. 学ぶための障害を排除し、時間を確保しよう ゴールを達成するためには、前向きに考えるだけでは不十分。少しずつでいいので、身の回りにある気が散る要因を減らしましょう(特に大人にとって重要・・・大人の周りには気が散る要因がたくさんありますから)。そうでないと、フラストレーションが溜まりますよ。
41. 周囲に協力してもらおう 身の回りの誰もが、あなたの自己改善や学習プランを支持してくれるとは限りません。周囲の人々は、わざとなのか無意識にかはわかりませんが、邪魔をします。仕事の後で出席する授業があるときは、事前に同僚に知らせて、遅くまで仕事ができないことを確認しておきましょう。早く帰らなきゃいけないと伝えているのにも関わらず上司が仕事を振ってくると思ったら、うまく駆け引きしましょう。もし必要で、そして可能であれば、遅い時間帯にレクチャーを調整しても良いでしょう。
42. 自分を追い込もう だいたいの人は、生きていくために枠組みを必要としています。自由は、ときに、恐ろしいものです。カオスのようなもの。しかし実は、カオスさえその中に秩序を持っています。自分を追い込んでみる・・・たとえば締め切りを設定したり、考える時間を制限したり、作業するツールを制限したりしてみましょう。そうすれば短い時間で、より多くのことを達成できます。
プラスαのコツ
43. 読め、読め、読め 言うまでもありませんね。(速読支援ツールの)Spreederを使ってもいいと思います。広く、そして深く、物事をとらえましょう。
44. 知りたいことを相互作用させよう (既存のニューロンに)結びつくニューロンは、新しい視野をもたらし、今までと違ったやり方で知識を使えるようにしてくれます。ちなみにニューロンとは、情報処理のために特別な分化をした神経細胞のことです。新しく何かを知ると、ニューロンとニューロンが結びつきます。結びついた部分のことはシナプスと呼びます。
45. 違う言語を学ぼう (違う言語によってもたらされる)新たな視点は文化的なものを相互作用させる力をつくり、新しいアイデアを生み出します。ときどきはオリジナルの言語で本を読んでみましょう。翻訳からは得られない理解を得ることができますよ。
46. いかにして学ぶか、を学ぼう 学習理論にまつわる記事を読んでみましょう。たとえばFree Management Libraryや>SIAST(Virtual Campus)のLearningMethodのページがあります(どちらも英語。日本語でオススメのページがあったら教えてください)。これはオンラインラーニング向きですが、その他の学び方に関しても、得るものはあるはずです。もし真剣に最適な学習方法を知りたいと思うなら、人気ブログ「ヘッドラッシュ」の記事"Crash course in learning theory"を読むといいでしょう。
47. 自分の知っていること・知らないことをきちんと把握しよう 多くの人が「僕はばかだ」とか「わたしは、何も知らない」と言いますが、実はほとんどの人は、自分が既に理解していることに気づいていないのです。もし何かについて学びたいと思うなら、既に知っていることをはっきりさせて、自分が何を知らないか理解し、それから学べばいいのです。
48. 無意識に2つのことをしよう 効果的なマルチタスキングをすれば、限られた時間で複数タスクの達成ができるようになり、学習効率をあげることができます。これは複数のことをまったく同時にやるという意味ではありません。そんなことは出来ません。しかし適切なアプローチと心構えをすれば、まったく同時にやっているように見せかけることは可能です。例えば成功したフリーランスライターは、同時にいくつかの仕事をやりくりする術を身につけています。1つ目のエッセイに関する調査をしたら、頭の裏でその作業を引き継ぎます。そして2番目のエッセイに取りかかりましょう。2番目のエッセイみまつわる調査をしている間に、1つ目のエッセイは、「それ自身が書く」状態になるでしょう。自分の中に(文章が)「現れた」ときに、それを記録する準備をしておきましょう。
49. 全体を俯瞰して考えよう 俯瞰的思考は、最も「高等な」学習技術のひとつです。これはテクニックというよりも、心の持ちかたでしょうか。
50. 効果的な反復学習をしよう 複雑な物事を消化して自分のものにするためには、しばしば反復が必要です。理解するために何ヶ月も何年もかける人もいるでしょう。具体例とともに理論を何度も学習すると、理解のスピードを早めることができます。
51. Quantum Learning をしよう Quantum Learningの5原則:1.言葉にする。2.目的をもつ。3.決めつける前に経験する。4.どんな努力も寛容する。5.良い学習には、良い祝福を! 詳しくはこちら。Quantum Learningは、いくつかのアメリカの学校で採用されていますし、ただの教育法以上の意味合いがあります。
52. 必要な道具を手に入れよう あらゆる種類の学習ツールがあります。多くの人がオンラインで学んでいますから、オンラインのツールを考えてみましょう。Firefoxというウェブブラウザは、オンライン検索をするときに使えるツールの最良の品の1つで、様々な拡張機能(アドオン)を搭載しています。色々なお役立ち拡張機能がありますが、その1つにgooglepediaがあります。ある言葉を検索すると、グーグルの検索結果一覧と同時に、Wikipediaから関連するエントリを表示してくれるというものです。
53. 必要な道具を手に入れよう(ソフトウェア開発者のために) 対象になる人がとても少ない話ですが、ソフトウェアをつくる手っ取り早い方法を学びたいならば、37SignalsのGetting Realを読むと良いでしょう(webバージョンは無料)。(コラボレーション、組織作りをサポートしているアプリケーションである) Basecamp,Campfire, backpackを短時間で作るためのテクニックが書いてあります。
54. クリティカルシンキングを学ぼう (全米10代に大ブレイクしたテレビ番組)MadTV の出演者キーガン・マイケル・キー曰く、クリティカルシンキングは「全体のレベル」で分析をするそうです。まず最初にクリティカルシンキングについての Wikipediaの説明 (英語)を読んでみてください。クリティカルシンキングは、必要なものを選別して効率よく学習するための、分析スキルも含んでいます。
55. 問題解決の手法を学ぼう たいていの人にとって、人生は問題と、その解決の連続です。学習はその過程のひとつです。もしややこしい問題に直面したら、きちんと問題解決の技術を学ぶ必要があるでしょう。訳者のおすすめ本は「いかにして問題をとくか」。参考サイトその1(英語)、その2(イメージ図)。
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先生、親御さん向け
56. 夢中にさせましょう 講義は一方的なもので、非生産的になりがちです。ただ聞いただけ、もしくは黒板で目にしただけの情報は、容易に忘れてしまいます。教えるということは、ただ単に話せば良いものではありません。話すだけでは不十分なのです。生徒たちに質問をして、シナリオを提示して、彼らを夢中にさせましょう
57. 積み重ね学習で、情報のピラミッドを造りましょう 学習とは、積み重ねに他なりません。発展的な概念を加えていけるような、しっかりとした基礎学力を築きましょう。
58. テレビゲームをうまく活用しましょう 一部の暴力的なゲームが原因で、テレビゲームはいわれのない非難を受けています。しかし多くの場合、テレビゲームは効果的な教材になります。
59. ロールプレイしてみましょう 若者は、経験を学習の過程に組み込むことによって、学びを深めていることが少なくありません。例えば歴史も、ロールプレイを通じて理解が容易になります。
60. 80-20の法則を適用して、学習にメリハリをつけましょう この法則は、よく間違った解釈をされています。この場合における80-20の法則は、いくつかの物事・・・例えばカリキュラムの20%が、他の80%よりも、より多くの努力と時間を必要とすることを意味しています。つまり(20%を占める)複雑なトピックに、より多くの努力・時間をかけるということです。
61. ストーリーにしましょう (アメリカのTVシリーズ「シットコムWKRP」のキャラクター)ビーナス・フライトラップは、ギャングのメンバーである生徒に原子、電子、プロトンについて次のように教えていました。原子は、ある大きな縄張り。プロトンとニュートロンは、もっと小さな縄張り。これらはちょうどギャングのライバル同士(の縄張り)のように、決して混ざり合うことはありません。(TVシリーズの)ストーリーが役に立ってうまく理解できて、生徒は目を輝かせていました。
62. 義務教育の先を行きましょう 義務教育においては、応用的な学習やブレインストーミングの指導が、あまりにも不十分です。指導できないのではなく、ただ単にやっていないだけです。より良く学ぶために追加の時間・労力を払わなければならず、ときには市販の学習ツールにお金を払わなければなりません。これ自体は間違っていませんが、学校ではもっと広く物事を教えるべきです。 このブログ曰く、適切な学習アプローチを取れば、9歳の子どもでも大学レベルの数学を学べるそうです。
63. 応用例を示しましょう たとえば高校生が数学・・・分数につまづいたとします。分数の応用学習として、写真やレンズ、焦点距離、また料理における計量などがありますね。生徒の興味に即した応用例を用意してあげましょう。
生徒、独習者向け
64. 夢中になれるようにしよう 驚くべきことかもしれませんが、トピックによっては、先生よりも生徒の方が詳しいことがあります。そんなときは先生と話し合って、与えられている教材では不十分なことを伝えましょう。補助教材を貰えるよう頼んでもいいですね。
65. 自分自身の先生になろう 先生から与えられたカリキュラムがつまらなかったら、やりがいのあるカリキュラムを自ら組んでしまいましょう。先生がセンター試験の範囲を全部教えてくれないと嘆くくらいなら、先に自分で学んでしまいましょう。誰かが教えてくれるのを待っていてはダメ。それに、講義の時間を意義深いものにするためには、予習が最も効果的なのです。
66. 協力しよう 1人で勉強できなかったら、友人と一緒に勉強してみましょう。
67. 誰かに教えよう 何かをより深く学ぶためには、誰かにそれを教えると効果的です。自分も勉強しなければならないという戒めになります。ただし、学んだ知識を共有したいと思うモチベーションが必要です。
68. 書いてみよう FAQ (よくある質問に対するQ&Aのページ)や、あるトピックを網羅したwikiの制作は、効果的な「教え方」です。ブログに書いてもいいですね。自分が何を知っているのか、そして何を知らないのかがよくわかります。無料のブログサービスを使えば、お金を払う必要もありません。日本語のサービスでは はてなやココログ、ドリコムブログが、英語ならTypepadやWordpress、Bloggerといったサービスがあります。
69. 体験してみよう 言うまでもないことですが、時間をかけましょう。エキスパートというのはあることに10,000時間を費やした人・・・という定義もあります。10,000時間がどれくらいかの長さかというと、毎週40時間を、5年間くらいの時間です。あなたは、既に何かのエキスパートですか? そうでないなら、エキスパートになろうという熱意を持っていますか?
70. 自分にクイズを出してみよう 学んだことをテストしてみるのは、情報を忘れないために効果的です。単語カードは素晴らしい方法。学生だけのものにしておくのはもったいない!
71. まず、正しいことを学ぼう 基本を学びましょう。良いたとえがあります。新しい言語を学ぶときに面倒なのは、文法やスペリング、構文をまず学ぶことです。赤ん坊はそんなふうには学びません。「専門家」はそうするように(=文法やスペリングから学ぶように)勧めますが、大人が赤ん坊と違うやりかたで学ばなければいけない理由もありません。自分で試してみて、効果を見てみましょう。
72. 学習計画を立てよう 長期間学ぶことになりそうなら、「選べる道は、2つある」(Led Zeppelinの歌詞にこういうのがある・・・そうですね)。でたらめにアプローチする方法と、計画を立てて最適な方法を見つける方法。時間のことを考えて計画を立てて、学習と日々の生活のバランスをとりましょう。タイムマネジメントについてはこちらを、学習と生活のバランスについてはこちらを参考にしてみてください(いずれも英語)。
おまけ(アドバイス)
73. あきらめるな タスクの山をおそれて、学ぶことをやめないで。誰かができることは、だいたいの人ができることです。「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」と言ったのはアインシュタインだったか、トーマス・エジソンだったか・・・忘れてしまいましたが、とにかく、そういうことです。
74. 「専門家」を信じるな 難読症という病があります。文字や数字をきちんと読むことができず、読んだり書いたりすることが難しい、したがって学習そのものが困難な病気です。ときによってはしゃべり言葉すらもうまく理解できません。その昔「専門家」は難読症の子どもを捕まえて、知恵おくれだと言いました。その後、学習に困難があるとして、10代の難読症の子どもとともに「専門家」は学びました。そう、ともに学ぶことができたのです。ヘレンケラーは目も見えず、音も聞こえず、話すこともできませんでしたが、それでも、学びました。学ぶ方法はいくらだってあるんです。できないなんて思わないで。
75. 挑戦しよう だいたいの人は、自分が思っているよりも賢いものです。自分がどのカテゴリーに属するのかをわかっている人は、多くありません。もしも、自分が今いる場所にマッチしていないと思ったら、たとえばMENSAが提供しているIQテストでも受けてみてください。これはいわゆる普通のIQテスト-多くの若者に「自分は馬鹿だ」というトラウマを植え付けてしまうアレ-とは異なるテストです。多くの学校で受けさせるあのIQテストは、学生たちの知識と学習能力を正しく測ってません。重要なのは既に知っている知識よりも、新しいことを学習する能力なのです。
76. 試験の前は、遊ぼう 待って、そっぽを向かないで。大事なのはリラックスすることなのです。一夜漬けは最悪。テーマについて何も知らずに、一夜漬けだけでどうにかしようだなんて、まったく意味がありません。今までに勉強した内容を軽く復習して、あとは何か楽しいことをしましょう。そうすれば脳味噌に準備ができたことを伝えて、勉強した内容をうまく思い出すことができるようになります。また、もし(大学の)授業期間に勉強しなかったなら、とっととパーティに行きましょう。1分かそこら勉強したって、もう手遅れです。
77. 何よりも、楽しく学ぼう 学ぶことへの情熱を誰かと共有したいと思うなら、Joyful Jubilant Learning communityみたいなグループに参加してみましょう。英語隊もオンライン隊員募集中らしいですよ。
感想 by id:kany1120
英語隊合宿中に翻訳しました。6時間くらいでさらっと終わらせる予定でしたが、12時間以上・・・id:phoにも助けてもらったので、全部併せたら15時間くらいかかってしまいました。翻訳って大変なんだなぁ、と改めて実感。知らないことをたくさん学べて、知的好奇心はかなり満たされましたけどね。
出典元はOnline Education DatabaseのHacking Knowledge: 77 Ways to Learn Faster, Deeper, and Betterです。このエントリーの訳し方はかなり意訳になっています。固有名詞の説明を勝手に付け加えたり、リンク先を日本語のページに変更したりしています。
調べた単語
- immerse
- 浸す、沈める
- acronyms
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- semiotics
- 記号論
- osmosis
- 浸透、(知識などが)普及すること
- Constrain
- 強いる、規制する、押し込める
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- (花などが)授粉する
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- 全体の
- repetition
- 繰り返すこと、反復
- Defy
- 無視する、拒む、受け入れない
- irrelevant
- 見当違いの、関連性の無い
- mundane
- つまらない
- disparate
- まったく異なる
- receptacle
- (新しい知識などを)進んで聞く
- inhent
- 固有の
- convey
- 運ぶ、伝える
- rhyme
- 韻
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- 解剖する、分析する、分解する
- assess
- 評価する、計算する
- conjunction
- 接続詞、複合したもの
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- はり治療
- distracted
- 気をそらす、集中力を削ぐ
- prompt
- 遅滞なく
- deface
- (上に何かを書いたりして)傷つける、損なう
- entice
- いざなう、誘う、誘惑する
- intimidate
- おそれる、おびえる
- in a nutshell
- 言葉少なに、はっきりと
- dyslexia
- 難読症
- affliction
- いたみ
- haphazard
- 計画なしに、でたらめに
- optimum
- 一番良い方法、結果、最適な