どのようにして「お客さん」をつくるか

お客さんはどのようにして生まれるのだろうか? あなたから何かを買えば生まれる。取引が生じるまで、彼らはただのユーザーだ。取引が、ただのユーザーをお客さんに変化させる。


ここに、重要な境目がある。


デール・カーネギー(Dale Carnegie)は有名サイトの「How to Win Friends and Influence People」において、友人を作り方について同じようなことを言っている。もしあなたが友人を作りたいなら、その人に何かを頼むと良いと、彼は提案している。直感的には逆のような気がする(訳注:相手のために何かをしたほうが良いと思うのが自然な気がする)。しかし、こう考えれば疑問は晴れるだろう。誰かがあなたのために何かをしてくれたら、その人はあなたの成功に関わることになる。つまり、その人はあなたのゲームに(時間やお金という)チップを投げたわけだから、あなたが成功する姿を見たくなるわけだ。


私たちが持っているチップは限られている。だから、私たちがプレイできるゲームは限られている。あなたがチップを投資するゲームは、あなたが本当に興味を持っている物事だ。


この友人の作り方は、ユーザーをお客さんに変えることに似ている。誰かがあなたの商品にお金を払ったら、その人はその商品に投資したということだ。彼らはそのゲームにチップを投げたことになる。彼らはあなたが勝利を収めることを望む。そうすれば、彼らもその投資について満足するからだ。あなたが勝てば、彼らも勝つ。双方のゴールは結びつくことになる。あなたは忠誠心すら得ることができる(訳注:かなり意訳です)。彼らは自分が好きな商品を使い続けるために、あなたにビジネスを続けて欲しいと思う。こうなれば、あなたとお客さんのリレーションシップは、成熟した、長期的で持続可能な利益を生み出すことができる。


無料であなたの商品を使う人(試供品を使う人)は、同じようにはいかない。確かに、彼らはあなたの商品を使うために時間を費やす。しかし人は、多くの物事に時間を費やす。そこで、あなたがお金をかけることによって、ステップアップすることはできる。それによって、彼らはあなたのことが気にかかるから。

彼らは見込み顧客だが、実際の顧客ではない。しかしこれは、試供品を使う人をランクの落ちる客として扱いして良いかという意味ではない。間違っても、そんなことはしてはいけない。私たちのビジネスの80%近くは、無料のサービスや試供品からアップグレードして、有料のサービスや商品を使う人で成り立っている。無料の商品・サービスを使う人が増えるほど、あなたはより多くのチップを得ることができるというわけだ。


それは一人一人のお客さんにとっては大きな投資ではない。しかし数百数千のお客さんから投資を得られるようになったら、その瞬間、あなたは大きくバラエティにとんだ顧客基盤を得ることができる。あなたは大きなアドバンテージを得たことになる。事実、これはでっかいアドバンテージだ!

今日現在、大きく揺れ動いているウェブ会社はたくさんある。彼らは明日すべてを失うことがないように、今日すべてを投げ出し、顧客に与えている。明日はいつ来るのだろうか? それはしばしば手遅れになる。今日のうちにユーザーをお客さんに変えておいたほうがいい。これは楽しく、満足のいく、そして得るもののあるチャレンジだ。しかもそうすることによって、あなた自身が来年もプレイヤーでいられる可能性を高めることができる。


まとめ

あなたの商品のために投資することを怖れてはいけない。人々は、自分自身が価値があると思うものにお金を払う。なんならショッピングモールに行って、人々の買い物袋を見ると良い。そこにあるものが、人々がお金を払いたいと思うものだ。そうやって経済は動いている。しかも彼らは、人々は無料で手に入れたものよりも、お金を払って買ったものに対して価値を見いだす。だから人々にものを買ってもらい、あなたのお客さんになってもらおう。素晴らしいリレーションシップは、そうやって始まるのさ。


感想

by id:kany1120
id:marqsの日記を読んで見つけて、面白くてすぐに訳してしまいました。所要時間30分。かなり意訳の部分も多いですが、読み易さを意識して書いてみました。正確さを重視する方は、元記事を参照してください。

ちなみに「忘年会議2006」で紹介された記事だそうです。
(参考:忘年会議2006への御誘い:http://www.100shiki.com/event200612/ 忘年会議速報はid:shigeさんのところを御参照ください)